個人メディア開発記:なぜ私は「サブスク」を捨てて「500円の30日切符」を選んだのか

Webエンジニアのokamoです。

現在、自分自身の思想を詰め込んだ「個人メディアシステム」を開発しています。 目指すのは、25年前の「ホームページ」が持っていたような、個人の尊厳と自由な発信を取り戻す場所です。

開発にあたり、AI(人工知能)を壁打ち相手にしながら、**「どのような課金モデルにするか」「どうやって安全に決済するか」「認証システムはどうするか」**といった設計を固めていきました。

技術的な話だけでなく、「個人がリスクを最小限にしてメディアを運営するための戦略」として、開発前に考えたことを共有します。

1. 課金モデル:「脱サブスク」のすすめ

個人メディアといえば、NoteやSubstackのような「月額サブスクリプション(定期課金)」が主流です。しかし、私はあえて**「500円払えば30日間見放題」という「都度課金(ワンショット)」**のモデルを採用することにしました。

AIとの対話で整理した理由は以下の通りです。

ユーザーの心理的ハードルを下げる

「毎月500円取られ続ける」と思うと、人は警戒して登録をためらいます。しかし、「今回500円払えば、30日間は好きに読める。勝手に更新はされない」という仕組みならどうでしょうか?

これなら、**「面白そうだから1冊本を買う」「投げ銭をする」**という感覚で、気軽に決済してもらえます。個人メディアにおいて、この「気軽さ」は最強の武器になります。

運営リスクをゼロにする

サブスク運営で最も大変なのは、「解約し忘れたから返金してほしい」という問い合わせ対応です。

「30日で勝手に権利が切れる(延長したい人は再購入する)」という仕様にすれば、解約忘れのトラブルは物理的に発生しません。個人運営において、サポートコストを極限まで下げることは、長く続けるための必須条件です。

2. 決済システム:Stripeと「500円」の黄金比

決済システムには、迷わず Stripe を選びました。ここでもAIと共に綿密な損益計算を行いました。

損益分岐点の計算

Stripeの手数料(3.6%)を考慮すると、実は50円の決済でも赤字にはなりません。しかし、私が設定したのは**「500円」**です。

  • 売上: 500円
  • 手数料: 約18円
  • 手取り: 482円

1件売れるだけで、コーヒー1杯分以上の利益が確定します。この「手触り感」のある利益が、個人開発のモチベーションを支えます。

また、コンビニ決済は導入しません。別途固定手数料がかかる上、返金処理が複雑になるためです。「クレジットカード決済のみ」に絞ることで、シンプルで高利益な体制を作ります。

3Dセキュアで「チャージバック」を防ぐ

クレジットカード決済で怖いのが、盗難カードなどによる不正利用(チャージバック)です。もし不正利用されると、売上が没収されるだけでなく、ペナルティ手数料まで取られてしまいます。

これを防ぐために、**「EMV 3Dセキュア(本人認証)」**を導入します。Stripeなら標準機能で対応しており、認証を通った取引であれば、万が一不正利用だったとしても、店舗側(私)の売上は保護されます(ライアビリティ・シフト)。

個人開発だからこそ、こうした「見えない防具」を最初に装備しておくことが重要です。

3. 認証システム:パスワードを持たない勇気

ログイン機能には Google Firebase を採用し、**「Googleログインのみ」**に制限しました。

パスワード管理のリスクを捨てる

メールアドレスとパスワードによるログインを実装すると、「パスワードを忘れました」という問い合わせ対応や、パスワード漏洩のリスクを負うことになります。 Googleログイン一本に絞れば、セキュリティはGoogleにお任せでき、ユーザーもワンクリックでログインできます。

管理者権限は「黒い画面」で設定する

今回、サイトの運営者(私)だけが使える「管理者機能」を作りますが、Web上の管理画面で「誰を管理者にするか」を設定する機能は作りません。

代わりに、**「手元のパソコンの黒い画面(ターミナル)でコマンドを打った時だけ、管理者に昇格できる」**という仕組みにします。

不便に見えますが、これは**「Web上の画面を誰かに突破されても、勝手に管理者権限を奪われることがない」**という、最強のセキュリティ対策になります。個人のためのシステムだからこそ、便利さより堅牢さを選びました。

まとめ:技術選定は「思想」の現れ

  • 脱サブスクで、読者も自分も気楽に。
  • Stripe × クレカ一本で、リスクを最小限に。
  • Googleログイン × コマンド管理で、セキュリティを強固に。

今回のシステム設計は、単なる機能の実装ではありません。「いかにして個人が、巨大なプラットフォームに依存せず、自律的にメディアを運営し続けられるか」という問いへの答えです。

AIという強力なパートナーと共に、この「現代の個人要塞」を形にしていきます。開発の進捗はまた追ってご報告します。



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